2014年2月10日月曜日

石川慎一郎 「コーパス研究:これまでとこれから」

コーパス研究:これまでとこれから
石川慎一郎

世界初のコーパスとされるBrown Corpusが公開されたのは1964年,本格的な言語研究に耐えるBritish National Corpusが公開されたのは1994年です。今年は2014年ですから,Brown Corpusから半世紀,BNCから20年が経過したことになります。この間,こーパスの規模はもちろん,サンプリングやアノテーションの精度も飛躍的に向上し,言語研究におけるコーパスの影響力はかつてないほど高まっています。しかし,その一方で,コーパスやコーパス分析手法のコモディティ化は,狭義のコーパス研究やコーパス言語学研究の消滅(ないしは発展形解消?)を意味しているという見解も示されています。本発表では,コーパス言語学の小史をひもときながら,コーパスのこれまでを概観し,あわせて,コーパスのこれから,言い換えれば,言語研究や言語教育において,今後,コーパスが果たしうる役割について考えてみたいと思います。

参考文献 
McEnery, T., & Hardie, A. (2012). Corpus Linguistics. CUP. [石川慎一郎訳(2014)『概説コーパス言語学:手法・理論・実践』ひつじ書房]

講師紹介
神戸大学文学部卒。神戸大学文学研究科,岡山大学文化科学研究科修了。博士(文学)。現在,神戸大学国際コミュニケーションセンター/国際文化学研究科外国語教育論講座教授。主著として『英語コーパスと言語教育』,『ベーシックコーパス言語学』他。


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