2013年3月5日火曜日

講師紹介 染谷泰正


 染谷泰正(関西大学) 

関西大学外国語学部教授
外国語学部ホームページ記事「通訳翻訳研究の魅力」
染谷泰正ホームページ

日本における通訳翻訳研究および通訳教育理論先駆的研究者。『英文ビジネス文書完全マニュアル』など著書多数。

シンポジウム発表要旨
 「通訳研究の現状と課題」
本発表では「通訳研究」という分野にあまり馴染みのない方を想定して、その歴史と現状を概観する。通例、通訳研究は「通訳翻訳研究」(Interpreting and Translation Studies) という分野に包括され、その上位分野として言語学(社会言語学や応用言語学を含む)とコミュニケーション学がある。歴史的には比較的新しい分野であり、1950年代以降、ほぼ10年から20年間隔で研究パラダイムのシフトが起こっている。50年台は「実務の時代」、60年台は「言語学の時代」、70年台に入ると主として同時通訳プロセスの解明を目標とした認知的・心理学的な取り組みが増え(「認知の時代」)、90年代に入るといわゆる "Social Turn" と呼ばれる時代に入る。ちなみに、日本で通訳に関する最初の学会が設立されたのは2000年のことである。そうした中で、通訳研究の具体的な対象も少しづつ変化(あるいは拡張)しながら現在に至っている。本発表では、これを「基礎研究」と「応用研究」という2つの観点から、それぞれどのようなテーマが扱われてきたかを概観するとともに、今後の通訳研究および通訳教育の方向性について若干の提言をしたい。

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