アシガイ・デルゲルマー(Ashgai Delgermaa)
「翻訳単位としての慣用句―等価性を中心として―」
モンゴル文化教育大学准教授
「翻訳単位としての慣用句―等価性を中心として―」
モンゴル文化教育大学准教授
モンゴル出身。国際交流基金「博士論文執筆者フェローシップ」プロジェクトで筑波大学に留学。モンゴル国立教育大学から言語学の博士号を取得。慣用句を中心に日本語とモンゴル語の翻訳について理論的に研究。現在、モンゴル文化教育大学で日本語を教える。
翻訳単位としての慣用句
(――等価性を中心として――)
本発表では、翻訳単位の特性を考慮し、慣用句の翻訳が翻訳単位としてどんな地位を占めるかという点を考察する。そのために、コンテキストの等価性を接点として慣用句の翻訳に使用されている各方法を分析してする。これによって、慣用句は言語起源を関係なく、根本的に四つの翻訳方法によって実現されており、それぞれ定められた等価性のレベルを示している他、等価性の階層関係と規則的関係にあることを主張する。この結果は、慣用句は意味の大きさではコンテキストと匹敵する翻訳の独特な単位である点を意味する。また、翻訳に携わっている言語の類型の違いにも関わらず、相当訳、直訳、類推訳、説明的訳などといった四つの普遍的な操作によって実現されていることが示唆される。このようなことから、翻訳のプロセスを言語学的、心理言語学的、認知言語学的観点などを併用させて、等価性を接点として分析すれば、統合的レベルの考察が可能になることを主張する。
(この発表はシンポジウムに先だって13:50-14:20に行われますのでご留意ください)
0 件のコメント:
コメントを投稿